ジブリが敬愛する仏アニメーション映画。ミッシェル・オスロ監督の影絵世界

ジブリが敬愛する仏アニメーション映画。ミッシェル・オスロ監督の影絵世界

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フランスの映画監督が作り出す映像美。ミッシェル・オスロ監督のアニメーション

『キリクと魔女』や『アズールとアスマール』などのアニメーション映画で知られるミッシェル・オスロ監督。影絵と鮮やかな色彩で作られる映像は、一度見たら強く心に残ります。映画の予告動画も公開されているので、ぜひそちらもチェックしてみてください。

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ミッシェル・オスロ監督とスタジオジブリ高畑勲監督について

日本ではスタジオジブリと三鷹の森ジブリ美術館が、ミッシェル・オスロ監督の作品を配給しています。きっかけは高畑勲監督が『キリクと魔女』に惚れ込み、日本でのミッシェル・オスロ監督作品の公開に力を尽くしたことから。1998年に公開された『キリクと魔女』は、アニメーション映画としてはフランス映画史上歴代興行収入第1位の作品となりました。

またミッシェル・オスロ監督自身も高畑勲監督の作品に熱い想いを持っており、インタビューで下記のように語っています。

「宮崎監督は本当に偉大な監督ですし、彼のスタジオが配給を行ってくれるというのはとても光栄なことだと思っています。でも忘れてはいけないのは、スタジオジブリは宮崎監督、高畑監督の二人で創立されたスタジオだということ。高畑監督は、宮崎監督と比べると、興行収入では成功しているといえるかどうかわからないですが、彼が各作品の中でやろうとしていることはとてもチャレンジングで、面白い試みです。わたしは高畑監督の作品も大好きです」

出典:「宮崎駿は偉大な監督!でも、高畑勲の作品が好き」と語る仏アニメ映画界の鬼才が明かす、作品作りの本質とは? – シネマトゥデイ

映画『夜のとばりの物語』は日本の映画館でも上映されました。スタジオジブリの強力なバックアップがあったものの、その映像の素晴らしさや映画の存在はあまり知られていません。今まで見たことがない映像や色彩、影絵の動きに圧倒される作品ばかりです。DVDも発売・レンタルされているので、気になった方はぜひ見てくださいね。

ミッシェル・オスロ監督の代表作品

独学でアニメーションを学び、プロとして1979年に発表した初短編作品『3人の発明家たち』ロンドンのBAFTA賞を受賞。

  • 2003年『キリクと魔女』
  • 2004年『プリンス&プリンセス』
  • 2007年『アズールとアスマール』
  • 2012年『夜のとばりの物語』
  • 2013年『夜のとばりの物語 醒めない夢』

映画『夜のとばりの物語』(2012年夏公開)

夜のとばりが下りる頃、愛はその深さを試される。
どれぐらい私が好き?

via:作品概要 – 映画『夜のとばりの物語』公式サイト

光と影と圧倒的な色彩で紡ぐ、6つの愛の物語。「どれぐらい私が好き?」のキャッチコピーにドキッとします。エキゾチックな色彩や装飾に影絵をのせる独特のスタイル。強いコントラストが生み出す世界観に圧倒されます。日本語吹替版では、声優の坂本真綾さんが起用されました。スタジオジブリの公式YouTubeチャンネルで予告編が公開されており、短い時間でもその映像の凄さが伝わってきます。

映画『夜のとばりの物語 ―醒めない夢―』(2013年公開)

夜のとばりが下りた頃、醒めない夢が始まる。
もう私に恋をしたの?

via:作品概要 – 映画『夜のとばりの物語』公式サイト

5つの短編作品を通して描かれるのは、夢のお話。こちらは新宿で一週間限定上映だったそうですが、全て満席とのことでした。映像の美しさはもちろんのこと、不思議な世界観やストーリーも素晴らしい。

ミッシェル・オスロ監督のアニメーションは「黒」の使い方が印象的です。シルエットの美しさ、鮮やかな装飾とのコントラスト、暗闇のような不安、場面によって「黒」には色んな意味合いがあるように感じます。

「すべての情報が与えられない分、観客の想像力がよりかき立てられる。それは影絵でしか起こり得ない特別な表現なんだ。その“省略表現”は、墨と紙だけで描く墨絵のように、非常に日本的だと思う。リアリズムを追求した作品を作っていると、あまりに情報量が多すぎて、それが乱暴なことにさえ思えてくる。だから時々、初心に戻ってすべてを見せない作品を作りたくなるんだよ」

出典:仏アニメ界の鬼才が描く、美しく厳しい、光と影の世界。X BRAND

ビョークのPV『アース・イントゥルーダーズ』も手掛けた

レースペーパーで作られた作品『3人の発明家たち』

1979年に発表された『3人の発明家たち』の映像が公開されていました。儚くも美しいレースペーパーアニメーションです。

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